毘沙門堂の絵馬
塩野毘沙門堂には、あまり古い物は見当たらないが、数点の絵馬が確認できる。
最も古い絵馬では「曳馬の図」で寛文5年(1665)の奉納の絵馬である。
この時より明治時代に至るまでの間、多くの絵馬が奉納されている。
この絵馬は今でこそ堂内に飾られているが、一昔前までは拝殿長押にに飾られ、
参拝者はお目当ての絵馬に紙つぶてを飛ばし、それを当てて願掛けをしたとも伝えられている。
毘沙門堂に伝わる絵馬は殆ど大絵馬でその中に百足の絵馬がある。
百足は毘沙門天のお使いとされていることから、奉納されたものと考えられる。
この絵馬は百足が荒波を逆上しているダイナミックな絵馬である。
絵馬に関しては平成のこの時代になって久しく奉納を見なくなったのは残念である。
絵馬は神仏に馬を奉納した事に由来するが絵にしたためて奉納された馬が、形を変えて夫人参詣の図や祈祷図などバラエティーにとんでいるのはまた面白い。
その時々の人々の切実な願いが絵に表されているのかも知れない。
この絵馬の内 数点は山形県立博物館発行の「山形の絵馬」にも収録されている。